未熟児と低体重児・早産児の違い

「未熟児」 の本来の意味は「 身体の機能が未熟な(成熟していない)状態で生まれた赤ちゃん」のことですが、かつて小さく生まれた(2500g以下)赤ちゃんのことを「未熟児」と呼んでいた時期がありました。
しかし、小さく生まれた赤ちゃんでも身体の機能に問題がなかったり、反対に2500gを超える赤ちゃんでも身体の機能が未熟であったりすることがあるた め、出生体重だけではなく、ママのお腹のなかにいた期間(在胎週数)や妊娠期間に対する発育状況(体重)によって分類されるようになりました。
産婦人科や新生児科、小児科のお医者さんはこれらの分類を目安に赤ちゃんへの対策を考えています。

出生時の体重による分類

生まれたときの体重による分類では、2500g未満を「低出生体重児」と呼び、さらにそのなかで1500g未満を「極低出生体重児」、1000g未満を「超低出生体重児」といいます。
日本では出生数が減少しているものの、低出生体重児の数は毎年増加しています。全体の出生数に占める低出生体重児の割合は、30年前は出生の5%前後でし たが、現在は9.6%(2011年)にまで増加しており、世界平均の6.8%(経済協力開発機構34カ国)と比べても非常に高い数字です。
これは、不妊治療による双子や3つ子の赤ちゃんが増えたことや、新生児医療の進歩により、超低出生体重児の赤ちゃんも救出できるようになったことが大きな要因として挙げられます。

  • 低出生体重児

    2500g未満で産まれた赤ちゃん

  • 極低出生体重児

    1500g未満で産まれた赤ちゃん

  • 超低出生体重児

    1000g未満で産まれた赤ちゃん

低出生体重児の多くは早産(妊娠22週から37週未満)で生まれた赤ちゃんですが、なかには妊娠期間は十分であるにもかかわらず体重の小さい赤ちゃんもいます。
妊娠期間に比べて体重が小さい赤ちゃんは、赤ちゃん自身になんらかの問題を抱えている場合や、ママからの酸素や栄養分を運ぶ胎盤や臍帯の働きが不十分で栄養の蓄えが少ないために小さく生まれたなどの場合があります。

在胎週数による分類

出生体重による分類とは異なるもう一つの分類方法として、在胎週数による分類があります。赤ちゃんは、通常、在胎37〜42週未満でママのお腹から出てきます。
これよりもお腹の中にいる期間が短いと「早産児」(在胎37週未満)、長いと「過期産児」(在胎42週以上)といいます。
赤ちゃんの体は、ママのお腹の中に40週前後いることで外の世界に出てくる準備が整います。そのため、在胎37週未満で産まれてきた赤ちゃんは、通常体が小さく、体の機能が未熟な場合があります。
日本では「低体重出生児」 と同様、年々増加の傾向にあり、全出生数のうちに占める早産の割合は5.7%(2012年)と報告されています。

  • 早産児

    在胎37週未満で産まれた赤ちゃん

  • 正期産児

    在胎37〜42週未満で産まれた赤ちゃん

  • 過期産児

    在胎42週以上で産まれた赤ちゃん

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