NICUの歴史とこれから

新生児やボクのような早産児を含む未熟児(「未熟児や低出生体重児との違い」)に対する医療は、1800年代にフランスで始まり、その後ドイツなどのヨーロッパからアメリカへと広がったんだよ。
日本では、1901年に保育器が初めて輸入され、1921年には東京大学の育嬰室で未熟児の保育が行われるようになったんだよ。1940年代後半になると、未熟児に対する医療が日本で開始されるようになり、1950年から60年代に全国に未熟児室やセンターが設置されるようになってきたんだ。

そして、1970年ごろから未熟児に対してもっと積極的な治療を行うための集中治療施設として、現在のようなNICUが設置され始めてきたんだよ。また、新生児用の人工呼吸器や観察用モニターが進歩したり、医療器具などが開発されたことで、より多くの赤ちゃんの生命が助かることができるようになったんだ。
その後、NICUが全国に設置、地域化されたことで、日本の新生児の死亡率が低くなり、今では世界で最も低い部類に入っているんだよ。

  • 1800年代

    未熟児・新生児医療がフランスに始まり、ドイツ、ヨーロッパからアメリカへと広がる。

  • 1896年

    東京大学に育嬰室が作られる。

  • 1901年

    日本でLionの保育器を購入。

  • 1940年代後半

    日本で未熟児医療が開始される(名古屋市立大学、国立岡山病院、大阪市立大学、賛育会病院など)。

  • 1956年

    都立母子保健院、国立岡山病院に未熟児センター、名古屋市立大学に未熟児病棟が開設。

  • 1960年〜70年

    全国に未熟児室やセンターの設置、整備。

  • 1970年

    NICUが設置され始める(聖マリア病院、日赤医療センター、聖隷浜松病院、小児病院など)。

  • 1970年代後半〜

    産科と新生児科が連携した周産期母子センター、母子総合医療センターの開設。新生児医療の地域化が進められる。

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